今年10月の初めから週に1回だけ、ペイーニャというモンチアズールコミュニティー協会が支援する隣のファベーラの子どもたちにソーラン節教室をやってきた。
確か教室を始めた頃は、まだブラジルは冬が終わったところで少し肌寒かった。その後だんだんと暖かくなってきて、いつも練習していた大教室では20人近くの子どもが踊ると蒸し風呂状態になって30分も練習すれば子どもたちは我慢できなくなって、外に飛び出して行ってしまう。
どうにか30分だけの時間を最大限に使って、踊りをおぼえてもらおうと工夫した。いかに子どもたちが踊りを通して楽しめるか。振り付けの細かい指導は置いといて、とにかく声を出して楽しく踊ろう。
そして2ヶ月が経った11月末。遂に発表できるところまで到達した。11月末の日本祭りと、ペイーニャで毎月開かれるSARAU(歌でも踊りでも詩でも発表したい人は誰でも発表できる場)で発表することにした。
ところが、ここから不運が続いた。
毎日のように雨が続いた。
まず、SARAUは夕方6時から開かれるのだが、ちょうどその時間帯になると空の色が怪しくなってくる。ペイーニャの劇場として使っているスペースは屋外で屋根がないので、雨が降ると音響が濡れてしまうため中止になる。
やはり空の色はウソをつかなかった。6時付近になるとしっかりと雨が降り出して中止。この日の子どもたちとのリハーサルを見た限り、踊りの仕上がりはほぼ完璧に近いものだと自負していた。それだけに残念だった。
そしてその次の週に延期されたSARAUだったが、ここ1ヶ月間ほんとに毎日降る雨は予定通りこの日も降った。そしてその次の週に再延期されたのが一昨日の金曜日。
夕方6時付近になるとやはり空の色が怪しくなってきた。今日こそはと思い、時間を早めてでも雨が降り出す前に踊ろうと急いで準備して踊り始めた。
さあ、スタンバイが完了して子どもたちが踊りの位置についた。するとパラパラパラ・・・
やはり降り始めた。強行して踊りを始めたが雨足は見る見るうちに激しくなり、結局踊りの途中で中止になった。
もう今年のSARAUを延期できるのはその日が最後だった。
日本祭りでの発表はどうだったかというと、これもだめだった。
その日も発表の前に雨が振り、そのあと雨は止んだのだが、日本祭りが行われたモンチアズール隣のファベーラから来ている子どもたちは自分たちの家に帰ってしまい、結局発表まで残っていたのはたった1人の子どもだけだった。
まともな発表ができなかったが、昨日行われたペイーニャの職員や住民、子どもが集まる集会で発表させてもらうことになった。子どもは半数ぐらいしか集まらなかったが、しっかりとソーラン節を踊りきることができた。
2009年12月13日
ふくいとしのり
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